川口市立文化財センター (1)
今回、私が訪れたのは、川口元郷駅から徒歩10分、「川口市立文化財センター」さんです。こちらの施設は、川口市内の発掘調査の出土品や鋳物に関する資料、獅子舞などの民俗芸能や歴史的建造物など、先人の残した数多くの文化財を収集・保管するとともに、展示や体験学習などを通して、川口の歴史とそこに育まれた文化への理解を深める施設として誕生しました。
「展示室1」では、土器や板碑等、原始・古代から近世までの市内の文化財資料を中心に、「展示室2」では、鋳物ストーブやベーゴマをはじめ、近代・現代の市内地場産業の文化財資料を展示しています。
今回は「展示室1」のご紹介です。 展示室に入ってすぐに目を引くのは、市の無形民俗文化財に指定されている「安行原の蛇造り」です。毎年、5月24日に行われ、五穀豊穣、天下泰平、無病息災などを祈願して、藁で全長10メートル程の蛇を造り、御神木である大欅(おおけやき)に掛け、最後に百万遍を行います。現在、大欅の木は傷んでしまい、仮の台を使用していますが、次の代の欅の御神木が大きく育なったら、その新しい御神木で行事を行うそうです。
市内の赤山陣屋跡遺跡からは、縄文時代後期から晩期にかけての食生活をうかがい知ることができる大規模な「トチの実加工場」が見つかりました。縄文人はトチの実を採取し、加工場で灰汁抜きなどの様々な工程を経て、村まで運んで食していたと思われるそうです。
こちらは、本県を代表する史跡に指定されている新郷貝塚から出土した貝と、重要遺跡に指定されている前野宿貝塚から出土した土器が展示され、実際に触れる事が出来る体験コーナーです。縄文時代には海辺が近かった歴史に触れられる展示となっています。
中世には、現在の埼スタ線戸塚安行駅のすぐ西側に、忍(行田市)城主成田氏の家臣で小宮山弾正介忠孝(こみやまだんじょうのすけただたか)の居城とされている「戸塚城(別名 龍賀城)」があった事が、発掘調査にて確認されています。
近世では、川口宿や鳩ヶ谷宿が日光御成道の宿場として栄え、江戸の庶民の行楽地としても有名でした。昨年に続き、今年の夏にも、日光御成道の鳩ヶ谷宿において、地域の魅力を発信し、地域経済の活性化を図る手作りのイベント「日光御成道 鳩ヶ谷宿"夏の陣"」が開催されました。 この他にも、民俗芸能などに関する展示があり、川口市の歴史を深く知る事が出来る施設となっています。次回は「展示室2」をご紹介します。
川口市立文化財センター
住所:埼玉県川口市本町1-17-1
受付時間:8:30〜17:15
観覧時間:09:30~16:30※観覧される方は、16:00までに入館ください。
休館日:月曜日(祝日の場合は、その直後の平日)年末年始(12月29日~1月3日)
TEL:048-222-1061
URL:http://www.kawaguchi-bunkazai.jp/center/index.html