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川口元郷

旧田中家住宅

今回、私が訪れたのは、川口元郷駅2番口から徒歩8分、川口市立文化財センター分館 「旧田中家住宅」さんです。こちらは、江戸時代から代々「德兵衞」の名前を襲名している田中家の四代目田中德兵衞さんが築きました。商才があった四代目田中德兵衞さんは二代目から始めた麦味噌の醸造および材木商を引継ぎいで巨大な財を築きました。材木商を営んでいたことから建築資材にはこだわり、当時入手できる最高級の木材を使用し建築をしています。味噌醸造が発展したのは、この地域で良質な大麦が生産されていたこと、芝川で東京(江戸)へ出荷出来たためです。田中德兵衞商店では、「上田一(じょうたいち)」という味噌の販売をしていました。

旧田中家住宅(外観)

旧田中家住宅は県下唯一の煉瓦造三階建ての建物であり、大正12年完成の洋館、昭和9年に増築された和館の他、文庫蔵、煉瓦塀、また昭和48年の改修工事で味噌醸造蔵の跡地に作られた茶室と池泉回遊式庭園により構成されています。

旧田中家住宅(帳場・ステンドグラス)

建築中は関東大震災に見舞われましたが、大きな被害を受ける事はなかったそうです。 洋館は県下有数の本格的洋風建築で、外観はイギリス式に煉瓦を積んだ壁に化粧用煉瓦を張り付けて仕上げられています。 一階の正面玄関には帳場があり、洋館ではありますが、神棚を設けるなど、和洋折衷な空間となっているのが特徴です。正面玄関の隣には来客用の応接室があり、北側通用口には旧田中家住宅唯一のステンドグラスが飾られています。2階にも洋室の書斎があり、1階とはまた違った色合いになっています。和館2階には本格的な数寄屋風書院造りの客間があります。天井には屋久杉、柱は檜と大変高価な木材が用いられている事がわかります。

旧田中家住宅(大広間)

3階の南側に迎賓用の大広間を設けているのは、当時、芝川や味噌造蔵などが眺められるほど眺望が良かったからだそうです。

旧田中家住宅(和館)

和館1階には、仏間、次の間、座敷があります。フォーマルな行事を行う大ホールとしても使用していました。和室ですが、各部屋に異なる洋風の吊り下げ多灯が付いているのは、旧田中家住宅の特色の一つのとも言えます。また、施設の各所にお茶をたてる用の炉や流し台が設置してあります。また、和館1階の下には防空壕があります。

旧田中家住宅(吊り下げ多灯)

庭園は、味噌醸造蔵の跡地に造られた池泉回遊式庭園です。池を回って鑑賞出来るようになっています。茶室や和館から眺められる池には鯉が泳ぎ、喧騒を忘れさせてくれる様な場所になっています。

旧田中家住宅(庭)

茶室には京都から職人を呼び寄せ、一部味噌蔵の建築材を用いて造られたといわれています。中に入ると建物の中にもまた庭があるような作りとなっています。こちらの茶室の方では、お茶会や短歌・俳句など様々なイベントなどが行われ、イベント時には沢山の方がいらして、旧田中家住宅の魅力と共に楽しんでいます。

旧田中家住宅(茶室)

芝川沿いのランドマーク旧田中家住宅へ足を運んでみませんか。

旧田中家住宅
住所:埼玉県川口市末広1丁目7番2号
公開時間:9:30~16:30 (ただし入館は16:00まで)
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その直後の平日)
TEL:048-222-1061
URL:http://www.kawaguchi-bunkazai.jp/tanaka/index.html