昌國利器工匠具博物館

今回は鋳物の街、川口市にある世界的な盆栽用具のブランド「株式会社昌國」さんをご紹介します。
こちらの本社には、日本で唯一の刃物ミュージアム「昌國利器工匠博物館」が併設され、刃物の歴史や魅力を伝えています。

日本初の盆栽専用ばさみを作った初代・川澄昌國さんの後を継ぎ、2代目昌國さんがはさみに関する研究開発で平成5年に科学技術庁長官賞を受賞、平成6年に黄綬褒章を受章したことを記念して開館されました。現在は3代目昌國さんが館長を務められています。

いまや盆栽は海外でも「BONSAI」の名で有名ですが、昌國さんは盆栽用はさみの開発により、それまで植木職人の手にゆだねられていた盆栽の手入れを一般人までに広めたパイオニア的存在です。その製品は国内外の要人達に愛用され、世界に誇れる日本のものづくりとして高く評価されています。

館内には4千点ほどの刃物類や刃物関係書類が展示されています。昌國さんがこれまで手がけてきた盆栽用はさみや最先端の医療器具、3代の匠が苦心してつくり上げてきた作品をはじめ、東京都の万蔵院台地から出土した縄文時代の石器包丁、埼玉県の稲荷山古墳から出土した国宝の金錯銘剣のレプリカ、奈良の薬師寺建立に使われた釘など、大変興味深い展示品の数々が置かれています。