鳩ヶ谷駅東口から日光御成道に出たところの坂下町商店街にある燃料店の店先に、大きな石材が置かれています。
川口市指定の有形文化財でもある「とんぼ橋の橋石」です。

1978年（昭和53年）3月、見沼代用水の分流である平柳領用水掘の蓋掛け工事の際に、この場所で5本の大きな石材が発見されました。
その1本には「丁巳延寶五年三月吉日武州下足立郡鳩ヶ谷町とんぼ橋」と文字が刻まれていたとのことです。
延宝5年といえば、西暦で1677年。300年以上の時を経て発見されたわけです。

1677年は見沼代用水完成の51年前であり、とんぼ橋は平柳領用水の前身の用水に架けられていたと推測されています。

この場所は、日光御成道・鳩ヶ谷宿から日光道・千住宿へ向かう「千住道」が分岐していた地点であり、さらにその西側では中山道・蕨宿に向かう「蕨道」が分岐していました。
すでに用水路は暗渠化されていますが、江戸時代には多くの人々がこの石橋を渡り、往来をしたことでしょう。

とんぼ橋の橋石
住所：〒334-0003 埼玉県川口市坂下町3-1-16